遺品整理と聞くと、なんだか上品な感じがしますよね。
亡くなった方の生前大切にしていたものを仕分けるみたいなイメージってありませんか?
しかし、遺品整理の現実は【ゴミを捨てる】ことです。
遺品整理を依頼してくる人は、大事なものは全て引き上げた後から遺品整理の依頼をしてきます。
なので残っているものは全てゴミ。
整理という言葉につい誤解してしまいがちですが、やることはゴミ屋敷清掃みたいなものです。
そんな遺品整理のバイトを経験した身から、「遺品整理のここが嫌!」という点と「遺品整理のここがいいよ」という点をご紹介します。
遺品整理のここが嫌だよ!
別名ゴミ屋とも言われる遺品整理のお仕事。
実際にやってみる場合にはこんな覚悟をしておくとよいかもしれません。
①布団がやたらとある
遺品整理の仕事であるあるなのが、布団の量が多いことです。
たいていが高齢者が亡くなった後の家を整理するため、かつて同居していた子供たちの布団が数え切れないほどあるケースが多いのです。
その他にも、人を家に止めるときに、必要な客用ぶとん、訪問販売で訳も分からず買ってしまった布団などが押し入れにたんまりと残っているケースがよくあります。
それだけでなく、枕や毛布、布団カバーなど、高齢者が亡くなった後の家にはこれでもかと言うほどに寝具類が押し入れに眠っています。
たかが布団ですが、これがまた重いのなんのって。
特に昔の敷布団は、素材が今と違うのかやたらと重いのです。
軽い羽毛布団だったらラッキー的なレベルです。
1つや2つならともかく、大量に眠っている布団をトラックに積み込むのがまず最初の試験。
寝室が2階なら階段の上り下りもセットでついてきます。
また、ゴミ処理場によっては、布団をそれぞれに仕分けしないと受け付けてくれないところもあったり、敷布団にシーツがかぶさっていると1枚1枚はぎ取る必要があったりと言うケースもあります。
さすがに押入れに眠っている布団は、汚いという感じはありませんが、遺品整理の仕事では、必ずと言っても良いほどぶち当たる最初の関門です。
②本や雑誌は意外に重い
これもまた重い仕事。それは家中に置いてある本や雑誌の処理です。
今なら電子素子書籍があって、昔ほど家に本を置く事は少なくなりましたが、昔の人はやはり紙の本を大事に取っております
しかも、なぜか昔の人は、文庫本よりもハードカバーの分厚い本を好む傾向があり、百科事典や辞書、図鑑などを後生大事に本棚に並べたりする方が多かったりします。
これもまたトラックに乗せるだけで大変な重労働。
もちろん、中には今でも十分な価値がある古本があったりすることもありますが、基本的にはブックオフに売りに行ってもただで引き取ってもらえれば、御の字と言う本ばかり。
また、本をゴミとして受け付けてくれる処理場の中には、すべての本のカバーを取り除かなければいけないという布団と同じ分別を強要されることもあるので、これまた大変です。
③食器や調理用具はさらに重い
さらに重いゴミと言えば食器類。引っ越し作業のようにお皿を割らないように新聞紙包んだりなど細心の心配は必要ありませんが、これまた量が多いのがネック。
80サイズ100サイズ位の小さな段ボールに食器を詰め込んだだけで20キロ近くになることなんてザラ。
これをひたすらトラックに住みこむだけで、結構な肉体労働になっちゃいます。
もちろん、人が使った食器や調理器具を下取りに出したところで値すらつきません。
④生ゴミが放置されてる場合は地獄
生ごみがそのまま放ってある場合もあります。
こちらは前述のような重さはありませんが、とにかく汚いし臭い。
そしてはなはだ気持ち悪い。
食べ残しがある弁当箱がそのまま残されていたり、ペットボトルの中の飲み物もそのままだったり。
ひどい人になると、トイレに行くのが面倒と、ペットボトルの中におしっこを入れたまま放置している場合もあったりします。
これまた、分別をちゃんとしないと、ゴミ処理場のほうも受け付けてくれないので、きっちりと分別する必要があります。
⑤死臭は最大の敵
遺品整理の最大の敵と言ってはばからないのが死臭が残っている場合。
一人暮らしの高齢者が、なかなか発見されずに、死後ある程度経った後に発見された場合、その部屋にはこれまで嗅いだことのないような異臭の中仕事をしなければなりません。
この異臭は、消臭スプレーを1本、まるまるばらまいても全く歯が立たない超強烈なやつです。
もちろんマスクを二重にしても、その匂いは脳みそに刺激を与え続けてくるのです。
この異臭を一度嗅いでしまい頭にインプットしてしまうと、数日は食欲が戻らなくなるでしょうね。
逆に言えば、ダイエットをしたいと考えている人はオススメかもしれませんね。
食欲が0になっちゃいますからね。
遺品整理で得するラッキーな出来事
基本的に報酬の高い遺品整理のバイト。
日給1万円以上は堅いのですが、バイト料以外にもお金を稼ぐチャンスもあったりします。
① 小銭が落ちていることがある
遺品整理をしていくと、結構な確率で出会うのが小銭の数々。1円10円玉はもちろんのこと100円500円玉がひょっこり出てくることも珍しいケースではありません。
依頼主は基本的に大事なものや金目のものを事前に持っていってから業者に遺品整理を頼みますが、発見しきれない現金が家にあるケースは非常に多くあります。
これが10,000円札であった場合は、さすがに依頼主もくれませんが、この過酷な仕事を見た依頼主は、ほぼ100%の確率で小銭に対しては文句を言いません。
中には、床下から百万円の札束が3つ出てきたなんて言う事例もあります。
さすがにそれをネコババする勇気はなかったそうですが、正直に依頼主に渡したところ、100,000円ほど分けてくれたなんて言うお話もあります。
② 廃棄の中にはお宝がある
遺品整理の仕事は、基本的にゴミを片付けるものですが、中には依頼主が価値の分かっていないお宝がもらえたりします。
例えば仏壇仏具なんていうのは、依頼主も位牌だけ持っていって、後は全部処分してくださいと言うようなケースが多かったりします。
でも、仏壇仏具の中には金(ゴールド)を使っているものもあり、それは貴金属としてお金に変えることもできます。
また、古い腕時計だからと依頼主が放棄したものの中には、ロレックスだったりして数十1万円で売れたりなんていうケースも。
ただ1番多いケースは、銅線ですね。銅線は金属として処分場に持っていくと、1キロいくらみたいな感じで買い取ってくれます。
もちろん自分で銅の部分を取り出さないといけなかったりしますが、それでも数千円〜数万円になったりするケースは多々あります。
ただ、改めて申し上げますが、金目のものを見つけたとしても、黙って持ち帰るのはやめておきましょう。
1万円を超える現金や宝石以外のものだったら、ほとんどの確率で依頼主は「持ってちゃってください」って答えるでしょう。
こんなところで罪を犯す必要はありません。
③ 自分の欲しいものがもらえたりする
お金には全くならないけども、自分で使えるものを手に入れることもできます。
例えばですが、保存期間の長い未開封の食品などが台所に眠ってたりします。
カップめんや、缶詰、調味料等があった場合、ほぼ100%の確率で持って帰ってオッケーと言う返事をもらえるでしょう。
また、先ほど本屋雑誌はほとんど買い取ってくれないと書きましたが、20年30年位前の古い雑誌なら試してみる価値ありです。
中には1冊1000円で買い取ってくれたりするお宝の本屋雑誌が眠ってることもあるので。
なんか古い雑誌を発見した場合、雑誌名をメルカリで検索してみましょう。
意外なお宝だったりすることもありますよ。
まとめ
遺品整理のバイトは正直ゴミ屋敷の掃除、と言い換えて差し支えないでしょう。
日給は高く、最低でも1万円はもらえる仕事なので今すぐにお金が必要な場合には良い仕事かもしれませんね。
ただ、きつい仕事には変わりないのである程度の覚悟は必要かも。
また、結構な確率で「仕事をした後食欲がなくなる」パターンが多いので、強制的にダイエットをしたい方にもおすすめかもしれません。
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